鳥の歯のお話
今回は少し趣向を変えて、動物の歯のお話をしようと思います。
さて、鳥には歯があるでしょうか?
答えは、ある。けれど、ない(なくなってしまう)です。
生まれたばかりのヒヨコには、卵歯という突起状の歯がくちばしの先端についています。
しかし、これは孵化するときに殻を破るためのもので、すぐに取れてなくなってしまうんです。
その後の鳥にはクチバシだけで、歯がありません。
ではどうやって食べた物を消化しているのでしょうか?
それは、素のう(食道の一部が広がってできた器官)、腺胃(せんい)、砂のう(焼き鳥の砂肝の部分)の段階的なコンビネーションで消化をしているのです。
飲み込んだ食べ物を素のうで一時的に蓄え、柔らかくしてから胃液を分泌する腺胃でさらにやわらかくし、仕上げに砂のうですり潰すのです。
スズメの学校では人間のように「食べ物はよく噛んでから飲み込みましょう」と教わるのではなく、「飲み込んでからよく噛みましょう」と教わるんですね。
ちょっと変わった、鳥の歯のお話でした。